コーヒータイム通信 第92号

 

第41回「ガレージセールinあさか」は、今回も多くの皆様、企業、ボランティアの方々のご協力により開催できました。ありがとうございました。
昨年から毎号のように書いておりますので、皆様も飽き飽きしていると思いますが、昨年の10月から完全実施された障害者自立支援法がいまだ落ち着かず、障害者、自治体の双方が混乱しております。障害者にとって本当に「よい制度」とは何なのでしょうか?
朝霞市内にある企業で、障害者福祉に非常に理解のあるオーナーの下、現在、障害者の実習を行ってくれている企業があります。市内にある多くの企業が名乗りをあげてくれればと思いますが、障害者の就労は非常に難しいのが現状です。でも、どんな障害でも働き方によって就労の可能性はあると考えています。

 

「今後の予定」

7月26日  朝霞市障害者団体協議会「市長との懇談会」in はあとぴあ
8月30日
 〜31日  埼玉障害者自立生活協会「県交渉」in 県庁


◆◇◆もくじ◆◇◆

○第41回ガレージセールinあさか無事終了
ボランティア募集のお知らせ  
特集!東松山市の市政と学校教育の取り組み
○「小さい努力」       
○「つらい話」
○朝霞駅駅前広場完成!でも・・・


ご協力ありがとうございました!

第41回目を迎えた「ガレージセールinあさか」も沢山のボランティアと出店者の皆様をはじめ、関係各位のお力添えの下、無事に終了することができましたことを心より深く感謝申し上げます。
ガレージセールを最初に開催したのは今から21年前のことでした。場所は、西友・マルエツ朝霞支店の店頭広場、出店数も50ブースほどでした。その後、徐々に出店数が増し、朝霞市役所の駐車場へと場所を移し、さらにフリーマーケット人気に伴い、出店数が300ブースを越えるようになり、より広いスペースが必要となったため、現在は朝霞市中央公園石畳前で開催させていただくようになりました。
その間も、皆様のご協力をいただきながら、コーヒータイムはさまざまな活動を続けることができました。ここ10年を振り返っても、デイケア施設の設立、視覚障害者の外出支援、障害者の雇用問題等、微力ではありますが、一歩一歩前進し続けてきました。
今後も、社会情勢の変化がますます激しくなることと思いますが「障害者も地域で共に」の目標に向かい、歩み続けて行きたいと決意を新たにしています。

[会計報告] 収 入 \562,156 ー 支 出 \142,934 = 運営費 \419,222


ボランティア募集のお知らせ
「現在、コーヒータイムでは、ボランティアを募集しております」

【募集内容】レモンの木・オリーブにてお手伝い。

【お手伝い内容】レモンの木やオリーブの利用者さんの話し相手。プログラムのサポート。 利用者さんとの近くまでの買い物。レクリエーションなどイベントの際のサポートなどなど。

【活動時間】通常、平日10時〜15時までの間です。活動日などはご都合に合わせ、ご相談ください。

※なお、レクリエーションのときのみの短期ボランティアも歓迎いたします。ご興味のある方は、コーヒータイム坂本までご連絡ください。


特集!東松山市の市政と学校教育の取り組み
東松山市長 坂本祐之輔

1. 東松山市の市政
私は、ノーマライゼーションのまちづくりを基本理念として東松山市の市政運営を行っている。ノーマライゼーションとは、障害のある人もない人も、ともに生きるまちのことである。

2. ノーマライゼーションのまちづくり
東松山市においてノーマライゼ_ションのまちづくりを進めるため、様々な施策に取り組んでいる。

(1)乳幼児期
平成8年から、保育園に保育士を加配し障害児を受け入れてきたが、今では経管栄養や二分脊椎で導尿が必要など、医療的なケアが必要な子どもも保育園に看護士を配置して受け入れるまでになった。その結果として、障害児は保育園か幼稚園に通えるようになったため、市内の障害児通園施設は平成16年3月閉園になった。

(2)学齢期
学校教育では、平成8年から教育委員会が介助員制度を開始し、地元の小・中学校への障害児の受け入れを行ってきた。現在、市内の小・中学校に33人の介助員を派遣しており、義務教育年齢の障害児の75%が地元の学校へ通うようになった。

(3)成人期
障害者も一般の会社で働ける。これを支援する施策として平成16年に障害者就労支援センターを開設した。通所授産施設の一般就労率は年間定員の1%と言われるが、就労支援センターは29人定員で3年間に110人の障害者が一般就労を果たしている。
障害者の暮らしの場では、障害者グループホームが18カ所設置され、90人以上の人たちが地域で生活をしている。全国平均は人口9万人あたり5カ所なので、約4倍の個所数となっている。

3. 学校教育の課題
障害児をとりまく学校教育の課題を次のように考えている。

(1)学校教育法施行令の問題点
私は、ノーマライゼーションの基本は教育にあると考えている。障害のある子どもも地元の学校でともに学び育つことによって、お互いを理解し合い、助け合って生きていく基本が育まれる。しかし、現在の日本の教育制度は学校教育法施行令によって障害児は「養護学校に就学させるべき者」とされ、一般の教育制度から分離されて教育を受けることとなっている。

(2)就学支援委員会の廃止
その振り分けの判断を委任されてきたのが、市町村教育委員会が設置する「修学支援委員会」である。私は3年前からこの廃止を教育委員会に求めてきたが、抵抗にあってできなかった。この度、やっと修学支援委員会の廃止と、保護者と子どもの希望を尊重した新しい就学相談の仕組みが開始される見込みとなった。

(3)教育委員会の抵抗
しかし、ここに至るには教育委員会の大きな抵抗があった。中でも、教育委員会が廃止できない根拠としていたのが平成14年に発出された文部科学省初等中等教育局長通知であった。これには「就学指導委員会を今後も設置することが重要であること。」と記述されている。教育委員会は、当初この通知が廃止されていない以上、就学指導委員会も廃止できないと言っていたのである。地方分権一括法によって学校教育は自治事務となり、就学支援委員会の設置も市町村の裁量となったことに疑義をはさむ者はいない。にもかかわらず、法律よりも文科省の局長通知を優先しようとする教育委員会の認識には、学校教育が文科省によって管理されていることを感じた。文科省は、市町村教育委員会の誤認識の原因となっている同通知の廃止または修正を早急に行うべきである。

(4)学校教育法施行令の改正
市町村に裁量が与えられているのは、就学支援委員会を設置するかどうかに関してだけであり、障害児の就学問題の根本にある学校教育法施行令の改正が国として急務である。
国連で採択された障害者権利条約では、本会議において全会一致で採択が可決した。3月から加盟国による署名が開始されており92カ国が署名、1カ国が批准したが、我が国は未だ署名さえできないでいると聞く。学校教育法施行令第5条が、条約第24条「教育」と不整合にあることがその要因であることが、各界から指摘されている。文部科学省においては、我が国が国際社会から取り残されることなく条約へ署名、批准できるよう、早期に施行令改正が行われるよう要望する。


「小さい努力」

今回のドイツ・ハイリゲンダムにおける主要国首脳会議(サミット)の主な課題は、地球温暖化の問題であった。しかし、このテーマは、私のような高齢者にとっての直接的な意味は少ない。やはり、人類の問題と言うか、子孫の問題と言うか、とにかく将来を見通しての問題である。
人類の存在は、地球上における歴史的な壮大なドラマであったと思う。私もこのドラマがいつまでも続くことを願う一人である。
しかし、このままだと人類はどんどん滅亡の方向に向かうかもしれないし、そうでないかも知れない。予測というものは常に外れるから、将来のことはわからない。マンモスが絶滅したように、人類にだって滅亡が待っているのかもしれない。
だが、そのことと私たちが毎日生きるための努力を続けることとは、全く別の次元のことである。たとえ叶えられない希望であっても、生きるために努力するのは、私たちの美学の問題である。私たちの小さい施設の営みも、失明者がよりよく生きるための努力に他ならない。
宗教改革で知られるルターは「明日地球が滅亡するとしても、私は今日リンゴの木を植える」と言ったと伝えられている。仮に温暖化ガス規制の交渉が成立しても
しなくても、私たちは美学として、今日も明日も、よりよく生きるための小さい
努力を続けたいと思うのである。

(視覚障害者デイケア施設「レモンの木」施設長・阿佐 博)


「つらい話」

私がいま働いているところは、「社会福祉法人全国盲ろう者協会」です。この協会は目と耳の両方に障害のある人たちのための活動をしています。日本の盲ろう者のための運動は、いまから26年前、現在は東京大学の准教授になっている福島智さんの大学進学を支援する運動から始まったと言っていいでしょう。それまでは、「盲ろう」という障害については、一部の教育関係者以外にはほとんど知る人がいませんでした。
福島智さんが有名になって、時々新聞やテレビで取り上げられるたびに、私どもの協会にはいろいろな問い合わせや相談がきます。
ある時、5、60代の女性と思われる方から電話がありました。自分の叔母さんについての相談でした。その叔母さんといわれる人はもうかなりの高齢で、いよいよ体の自由がきかなくなったために、つい先頃病院へ入れたということでした。叔母さんは、若いころから盲ろうだったそうです。おそらく、家族との会話などもほとんどないまま、いま長い一生を終えようとしているところなのでしょう。幸い、家族や親戚の人は良い人達らしく、みんなでこの盲ろうの叔母さんのことを大事にしてきたのだそうです。
ところが、その相談の電話をかけてこられた5、60代と思われる女性は、途中で突然涙声になり、「私たちは叔母に対してたいへん済まないことをしてきた。」というのです。福島智さんに関連するそのニュースでは、盲ろうの人たちが、様々な通訳手段を駆使して、楽しそうにおしゃべりをしているのでした。盲ろう者にとって一番つらいことはコミュニケーションが不自由なことであり、一番楽しみなことは、通訳・介助者を通して“おしゃべり”をすることです。そのことを、今初めて知ったというのです。テレビに映ったその盲ろうの人たちの明るい笑顔を見て、電話の女性は、「私たちは叔母を大事にしてきたけれども、叔母が求めていたものはもっと違ったものだった、毎日つらい思いをさせていたのだということに今初めて気づきました。もう余命幾ばくもないけれども、これからでも叔母にしてやれることはないでしょうか。」というのです。そして、最後の1日だけでもいいから、楽しい思いをさせてやれる方法はないかというのです。
大変つらい話でしたが、そううまい方法がもちろんあるわけではありません。ただ、ある盲ろう女性が言っていた「私たちにとって、1日は決して24時間ではありません。50時間も60時間もある長い苦しい1日なのです。」という言葉を思い返すばかりでした。

(視覚障害者デイケア施設「オリーブ」施設長・塩谷治)


朝霞駅南口駅前広場完成!! でも、あるきにくそう…

@具体的には、障害者の人権が尊重され、自己選択と自己決定のもとに、社会に参加し、責任を分担する仕組みを創造します。 このため、参加を制約している要因を除去し、あらゆる分野に参加できるよう施策を推進します。これはまた、社会の活力を維持する上でも重要です。 「一人ひとりを大切にした共に生きる社会を目指して」

A第3次朝霞市障害者プランでは、「一人ひとりを大切にした共に生きる社会を目指して」を基本理念とし、障害の有無にかかわらず、誰もが相互に個性を尊重し支えあう共生社会づくりを進めます。具体的には、障害のある人の人権が尊重され、自己選択と自己決定のもとに、社会に参加し、責任を分担するしくみを創造します。このため、参加を制約している要因を除去し、あらゆる分野の活動に参加できるよう施策を推進します。これはまた、社会の活力を維持する上でも重要です。

…以上が朝霞市で策定された障害者計画の理念です。これは「障害者計画」の基礎ともなる考え方です。上記の@・Aの理念に基づき各自治体の施策が考えられています。
しかし、これに対し、現在進められている朝霞駅南口の駅前の改装工事は、全くかけ離れた施工をしているのです。南口を利用する視覚障害者が安全に闊歩できるようにと色々な意見・提案を朝霞市に対し述べましたが、すべて拒否されました。スクランブル交差点もただ音声を付けただけで多くの視覚障害者は毎日危険を感じながら歩行しています。視覚障害者が危険を感じているということは、同じようにドライバーも感じているはずです。感じていないのは、朝霞市の担当職員だけです。なぜ朝霞市は解らないのでしょうか? 
朝霞市の「障害者計画」は絵に書いた餅で、キレイな文言を並べたもので実際の施策とは関係ないものに思われます。


≪編集人≫
特定非営利活動法人障害者も地域で共に・コーヒータイム
代表理事 坂本 さとし
事務局 〒351−0011 朝霞市本町2−1−7−406
TEL :048−467−7749/FAX:048−466−3687

 

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