コーヒータイム通信 第96号

 

 今回は、第43回「ガレージセールinあさか」の結果報告です。
 今、梅雨の真最中ですが、私たち障害者にとっても福祉の梅雨の真最中で、毎月とは言いませんが数ヶ月に最低一度ぐらいは制度の変更があり、特に高齢の障害者は、その変化に困惑しています。行政は、そのように当事者が困っていることが解っているのでしょうか?
 早くこの福祉の梅雨が明けて夏空になって欲しいものです。
 これからの日本の福祉は、非常に不安です。皆さんは、いかがですか?日本の福祉の将来は……。(坂本)

 

● 今後の予定
  7月中  コーヒータイム暑気払い
 8月31日 第29回 八都県市合同防災訓練 参加予定
 9月28日 第16回 朝霞市障害者スポーツ大会
10月25日 皆でいっしょにふれあいの輪inはあとぴあ
10月 4日 第44回ガレージセールinあさか開催予定

 

コーヒータイム・レモンの木・オリーブへの郵便物は…〒351-8799 朝霞郵便局私書箱23号までお願い致します。

◆◇◆もくじ◆◇◆

○第43回ガレージセールinあさか結果報告
○障害者自立支援法に思う…医学博士 長尾 栄一
○統合教育に思うこと…山賀 信行
○ぐらっと来るその前に…木村 俊彦
○坂本のきままなひとり言


第43回「ガレージセールinあさか」
予備日に開催できました!


 ガレージセールに出店していただいた皆さんも買い物に来てくださった皆さんも、リサイクルにご協力していただきまして本当にありがとうございました。
 このガレージセールを開催するに当たり、ここ数年というもの、本当に天候が読めなくなって来ました。予備日まで雨に祟られたこともありました。出店者の皆さんも天気予報とにらめっこしていたのではないでしょうか? そんなプレッシャーにもめげずに今回も沢山の皆さんが出店してくださいました。
 また、タウン誌の「フリーマーケットガイド」の取材の申し出があり、雑誌にも掲載していただきました。
ガレージセールを年に2回、開催するようになってからお蔭様で22年余りが経過しました。当初はガレージセールもフリーマーケットもあまり世の中に知られてはいませんでした。10年くらい前に出店数過去最高の380ブース余を記録したころから、あちこちでフリーマーケットが開催されるようになり、わがガレージセールへの出店数が徐々に減少して来ているとはいうものの、皆さんの暖かいご協力のお蔭で今だ「健在!」です。
お楽しみイベントの「じゃんけん大会」や今回は、「チョコのつかみどり大会」も大人気でした。今後とも応援よろしくお願い致します。
 なお、このガレージセールの収益金につきましては、デイケア施設「レモンの木」並びに「オリーブ」の運営等に利用させていただきます。

協力企業(順不同)
★ライオン 
★大和証券
★高砂
★ハマダコンフェクト
その他、個人の皆さんからも沢山のご寄付をいただきましたこと心よりお礼申し上げます。

第43回「ガレージセールinあさか」会計報告

総収入  \ 475,393 - 経 費  \ 187,124=純利益  \ 288,269
☆ 利用者の練習用パソコン、電磁調理器など備品の購入費にさせていただきます。


障害者自立支援法に思う

元筑波大学教授医学博士 長尾 栄一


 視覚障害者があるもので、日常生活に困難を感じることといえば、当然、視覚による作業である。
物を落としても手で探らなければならない。しかし、それは探って危険がない限り、そうして当座を凌ぐ。
 読むこと、書くことは点字により一部可能であり、又、パソコンを利用して普通字から点字や音声に変換して、ある部分は用が足せる。これも完全ではない。
例を挙げれば、印刷物は特殊な機械を使って読めるが、手書きは読めない。
機械のコンパクト化が進んでいるから、今にこの作業も外出時にも楽になる可能性はあろう。
 一番問題なのは見知らぬところへの外出である。これには人の手を借りざるを得ない。例え一人でタクシーが拾えても、行った先で具体的に目的地にあるいは、会いたい人に会うには方法がないか又は、大変な苦労を強いられる。
 現在、視覚障害者の外出を保障する法律は昨年4月から見切り発車し、10月にやっと一応の形を取った「障害者自立支援法」の「地域生活支援事業」中の「移動支援」である。
 人間は本来いつでも、何処へでも、自由に行けなければならない。そのことは、憲法13条で「総て国民は個人として尊重される。生命、自由および幸福追求に対する国民の権利については立法その他の国政のうえで最大の尊重を必要とする」又、25条に「総ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と述べているのだ。
 人間は生活を維持するのに、自由な外出ができるべきである。国はそれを補償しているはずだが、視覚障害者には許されていない。
支援法によって少々認められてきたが、ほんの僅かで且つ費用負担があり、見えれば金も払わずに通院もできるが、視覚障害者は人件費を負担しなければ通院も不可能なのだ。
 近く、国際連合では「障害者権利条約」が発行されようとしている。
日本もその条約を批准するため、国内法の整備を迫られているというのに、一体どうしてくれるのだろうか。心許ないでは済まされない。


統合教育に思うこと

デイケア施設レモンの木 職員 山賀 信行

 最近、統合教育や特別支援学校など、教育の形に変化が現れている。
特に統合教育を主張する人は多いようである。
私が小学校に入学しようとしていた20年前は、「前の席で黒板の文字が読めなければ入学は許可できません。」であった。それから思えば、大きな変化である。実際、私の周りでも全盲で普通の学校で学んだ人が数人いる。彼らを見ていると、小学校から高校と盲学校に通っていた人とは何処か違うように思う。それは、健常者の中で過ごした経験があるが故に、多少なりとも社会の厳しさや自分の立場を知っているからと考えられる。
 又、彼らと共に学んだ健常者に取っては障害者に対する理解に繋がる手助けになったかもしれない。このようにお互いに刺激しあい、共に学び成長することなどが統合教育の大きな特徴であり利点でもある。
 地方の盲学校を例にとれば、唯でさえ少ない生徒が少子化の影響によりさらに減っている。学年に1人、さらには学部で2?3人ということもある。
学習もさることながら、学校は集団生活の中で社会性を身に付ける場でもある。人数が少なくてはそれもままならない。この不利な点も統合教育であれば補うことができる。このような点から、統合教育が強く主張されているようである。
しかし、必ずしもよいところばかりではない。障害があるが故の特別な教育も必要である。例えば、全盲であるならば、歩行の訓練や点字の習得が上げられる。定義上はこのような特別な教育も行うこととなってはいるが、実際はそれ相応の技術を要する。視覚、聴覚、知的、精神と全てに対応することは不可能である。
又同じ障害を持つ人の繋がりも弱くなる。これはある意味でよいことなのかもしれない。得てして障害者は同じ障害者の中で輪を形成する傾向が強い。これを避ける意味ではよいともいえる。
しかし、輪があればその中での情報交換や、意見を共有することができる。
 それは障害者同士だけでなく、障害児を持つ親同士にもいえる。親にとってこの輪の存在は大きいようである。子育てという1つの大きな課題に、障害という新たな問題が加わり、神経質になる人も少なくない。同じ子を持つ同士、相談し、助け合う関係は大きな力と安心を与える。
特別支援教育であれば、この部分を補うこともできる。どちらの学校形態がよいのかは、甲乙付けがたい。
 どちらにも得意・不得意があることを思えば、一方に限定することは望ましくない。最終的には、それぞれの親・子供が選択できることが大切と考える。


ぐらっと来るその前に災害に強い共に暮らせるまちづくりへ向けて
文/木村 俊彦

1. なかなか手をだせなかった災害対策
 ・2006年新座市で、ゆめ風基金事務局の八幡さんを招いての講演会

2. 八幡さんの講演から学んだこと
阪神・淡路大震災(1995年1月)を契機に
「大規模災害における応急救助指針」(1996年)
 ・7日間しか想定していなかった避難所のイメージが変わった
   →「福祉避難所」「福祉仮設住宅」の位置づけ
 ・避難所の改善
   畳、間仕切り等
 ・家の倒壊など、個人の財産であっても、国が補償する
 ・地震保険のバックアップ
 ・ボランティアの活躍→NPO(特定非営利活動)法人の位置づけ
 新潟県中越地震(2004年10月)
 ・避難所の改善は進んでない
 ・ついていけていない自治体(国の指針はあっても補助金はない)

 ◎災害時要援護者避難支援ガイドライン(2005年)
 ・「災害弱者」から「災害時要援護者」に(2004年)
  前もって災害時の避難支援プランを作って対応すれば、防災や減災が 可能となり「弱者」とはならない。

  1 情報伝達体制の整備→避難準備情報の発令
  2 災害時要援護者情報の共有→福祉部局と防災部局との連携+本人からの同意
  3 災害時要援護者の避難支援計画具体化


a. 避難所に行かないと食事の配給にありつけない(数に入らない)
b. 障害者は避難所に行きたがらない。避難所は避難民の自主管理
c. 遅れている大雨対策(地震と水害は分けて考える)ハザードマップでの確認
d. 地震後の安否確認 48時間のサバイバル・かけつけて助け合うことができるのは、地域の人たち。
  全員が要援護者、向こう三軒両隣で軒並み全員大丈夫かどうかを確認
e. 誰と逃げるか、どこへ逃げるか
f. 頼りになるのはお隣さんと普段のつきあい、普段いっていることしか、災害時にはできない。
  地域のネットワークと、普段の介護・福祉サービスのつながりの活用
g. 避難所の改善、福祉避難所の指定
h. 行政責任は大事 災害ボランティアセンター
i . 災害によってもぐらつかない日常の福祉を
j . 地元中学生の力は大きい

3. ノーマライゼーションを考える
 ◎特殊教育から施設福祉、脱施設・地域移行とはいうけれど
 ◎彩の国障害者プラン(2003年)
  「障害のある人々が社会を構成する一員として障害のない人と 同等に 生活し活動する」 

 ◎専門職主導からソーシャルインクルージョンへ

 

4. 障害者福祉から共に暮らせる地域づくりへ
 ◎ 分け隔てられることのない共に育ち学ぶ教育の実現
 ◎地域福祉計画への参画


「坂本のきままなひとり言」

 最近《障害者》を、《障がい者》と書く風潮があります。なぜ「害」を「がい」と書くのか解る気がしますが、私は、「またか」と思い残念です。こんなクダラナイ事よりもっと障害者にとって大切な事が山ほどあります。
 「害」だけではない「障」も問題ではないのでしょうか? 広辞苑で調べてみると「障」は、「@妨げること。じゃまをすること。さわり。A仏道修行の障害となるもの。 B防ぎへだてること。また、そのもの。」という意味があり、「害」は、「@そこなうこと。悪くすること。 Aさわり。わざわい。Bさまたげ。」ということが書いてあります。
 いっその事全部ひらがなにすれば良いではないですか?でも私たち障害者は何の変化もありません。健常者が
良いのならそれはそれで良いでしょう。私たち「障害者」には全く関係ありませんので……。(坂本)


≪編集人≫
特定非営利活動法人 障害者も地域で共に・コーヒータイム 
代表 坂本 さとし
事務局…〒351-0011埼玉県朝霞市本町2?1?7?406
郵便物送り先…〒351-8799朝霞郵便局私書箱23号
TEL 048-467-7749
FAX 048-466-3687

 

→リストへ戻る


→コーヒータイムのトップへ戻る